WILLER EXPRESS株式会社 管理本部 保健師 原田リエ 様
安全運行を最優先事項とするWILLER EXPRESS株式会社。同社では、「健康起因事故を起こしたくない」という思いのもと、独自の管理体制を構築してきました。 同社がなぜ服薬管理システムharmo(ハルモ)を導入したのか。そして、導入によって現場の意識はどう変わったのか。管理本部 保健師の原田様にお話を伺いました。
本インタビュー記事は、全3回のシリーズでお届けします。

第1回目のインタビューでは、WILLER EXPRESS様の健康管理における考え方や、原田様が保健師としてどのような役割を担っているのか、分かりやすく解説いただきました。
【harmo導入インタビュー】WILLER EXPRESS株式会社 #01 どうすれば安全を確保できるか?共に考える、頼れる”翻訳者”としての保健師
第2回目は、より具体的な取り組みを掘り下げてお伺いします。
#02 検査で終わらせない。所見を「確実に」安全につなげるために
───検査体制だけでなく、その後のフォロー体制も非常に徹底されていると伺いました。
もともと脳ドックやスクリーニング検査などは全社統一で実施しており、費用も会社負担にするなど、「異常を発見する」ための体制は以前から整えていました。
ただ、国土交通省のデータにおいても、健康起因事故の約3分の1は心臓や血管の疾患が原因で、過半数は本人が亡くなってしまうということが分かっています。つまり、意識消失につながる健康起因事故を防ごうと向き合うことは、結果的には、本人が亡くなってしまうような病気を未然に防ぐことにつながっていくんですよね。
だからこそ、検査をして「見つかった」で終わらせず、その後のフォローを確実にやり抜くことが不可欠だと考えています。
───精密検査を会社負担で実施するのは、どのような理由からでしょうか。
私はこれまでの保健師としての経験から、本人に「受診してください」と言うだけでは必ずしも受診には繋がらない、ということを学んできました。また、本人から口頭で「病院に行ったから大丈夫だよ」と言われても、会社として安全を担保する記録には残りません。
社長含めて協議を重ねた結果、受診が進まないのであれば、会社が精密検査の費用を負担しよう、という判断になりました。脳と心臓に関する精密検査については、「絶対受診」とし、費用は会社が負担する、という取り組みに変えたんです。会社が費用を負担する代わりに、専門医や総合病院を受診して、その診断書を提出することで、対応した記録を残していく仕組みに変えていきました。

───通院や服薬についても、本人任せにせず確認されていますね。
はい。過去には、治療を始めて一度は数値が改善したのに、その後通院をやめてしまい悪化したケースや、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療器具(CPAP)装着を怠っていたことがヒアリングで判明したケースがありました。こうした経験から、通院や服薬を本人任せにするのでは不十分ということを学びました。特に、重度の糖尿病やCPAP治療のように、事故リスクに直結するものについては、会社側がきちんとチェックする体制を取らなければならないと考えています。
そのため、特に治療が必要なハイウェイパイロットに関しては、各健康管理担当者が声をかけ、「薬剤情報提供書(お薬情報)」などを提出してもらい治療状況を確認する、という運用を行うようになりました。
───“やっているはず”で済ませず、仕組みで担保しているのですね。現場には、どのようにその必要性が浸透していったのでしょうか。
弊社では、安全運行のため、血圧やHbA1cなど、乗務停止の基準を設けています。実際にこの運用が適用されるケースが出るにつれて、「健康管理は安全管理である」という意識が現場にも浸透していきました。 その結果、治療状況の報告を行わない場合は、安全が担保できないため乗務ができなくなる、という理解も広がりました。「乗務を続けるためには、病院を受診し、その証明を提出する必要がある」ということが受け入れられ、徐々に報告が習慣化されるようになりました。
───報告や提出が“習慣化”されるまでに、どのような変化や工夫がありましたか?
中には病院に行くのは面倒という方もいますが、本人たちも健康状態を悪くしたいわけではありません。たまたま行く時間がなかった、というケースが多いんですよね。そのため、ちゃんと行ったときは「行ったよ」「出したよ」「見た?」っていう会話に変わっていきました。
また、本人へのフィードバックも大切にしています。検査結果が明らかに良くなっている場合、「〇〇さん、良くなってますね」と担当者や私から声をかけるようにしています。情報を出してもらっている以上、こちらが反応しないと、本人たちも「何のためにやっているのか」が分からなくなってしまうと思うので。
───ありがとうございました。 “提出→反応→信頼”の循環で、運用が文化になっていくのですね。次回、最終回では、harmo導入に至った背景と、その効果を伺いたいと思います。
▶【harmo導入インタビュー】WILLER EXPRESS株式会社 #03 harmo導入で変わったこと。業務を軽くし、現場の不安をほどき、面談の質を上げる
<インタビュー協力企業>
会社名:WILLER EXPRESS株式会社
事業内容:高速バス「WILLER EXPRESS」の統括管理
ホームページ:https://www.willerexpress.co.jp/
◇harmoおくすり手帳 for Driverについて
harmo株式会社は、医療分野で培った専門知識を活かし、運輸業界が抱える健康課題の解決に寄り添います。harmoおくすり手帳 for Driverは、おくすり手帳アプリを通じて、ドライバーの服薬・治療状況を把握することで、健康起因事故の防止を目指すサービスです。服薬忘れや治療中断、眠気などの副作用によるリスクを防ぎ、治療と運転業務との両立をサポートします。
サービスサイト:https://www.harmo.biz/well-harmo/
