プレスリリース コーポレート おくすり手帳

【表彰式レポート】服薬管理で輸送の安全性向上~三和運輸機工、harmoシステム導入で「運輸安全マネジメント優良事業者等表彰」を受賞~

2024年12月17日、三和運輸機工株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長 中山 慎)が、国土交通省「令和6年度 運輸安全マネジメント優良事業者等表彰」において「危機管理・運輸安全政策審議官表彰」を受賞しました。
同社が導入した「harmoおくすり手帳」を用いた服薬管理システムにより、ドライバーの健康状態や服薬状況を適切に管理し、健康起因事故を低減する取り組みが高く評価されました。


国土交通省 運輸安全マネジメント優良事業者等表彰 https://www.mlit.go.jp/unyuanzen/hyousyoumein.html


harmoおくすり手帳 for Driverとは


電子版お薬手帳「harmo おくすり手帳」を活用した、ドライバーの治療継続と適切な服薬をサポートするサービスです。ドライバーが harmo アプリを通じて服薬情報を記録し、会社は開示許可を得て服薬情報を harmo システム上で管理することで、ドライバーの治療継続の確認や、運転に影響する薬剤の確認を行えます。


本サービスは、2023年12月から6か月間、三和運輸機工を含む複数企業で実証実験を行った後、2024年11月に正式リリースされました。実証実験には102名のドライバーが参加し、harmoアプリに服薬情報を登録した結果、以下の事実が明らかになりました。



  • 約35%のドライバーが運転に影響を及ぼしうる薬剤(※1)を服用

  • 約50%のドライバーが運転に注意が必要な疾患(※2)の治療薬を服用


このような服薬実態に対し、企業が適切に服薬管理を行うことで、運転に影響する薬剤の服用防止や定期受診の促進、健康起因事故のリスク低減に繋がります。



※1:医薬品添付文書を元にharmo所属の薬剤師が分類
※2 国土交通省 事業用自動車の運転者の健康管理マニュアル を元にharmo所属の薬剤師が分類




harmoおくすり手帳 for Driverの活用の流れ



1.表彰授与式


表彰式では、国土交通省 加藤危機管理・運輸安全政策審議官から三和運輸機工 中山慎代表取締役社長に表彰状が授与されました。


<企業名>三和運輸機工株式会社(https://sanwaunyukikou.co.jp/


<表彰区分> 危機管理・運輸安全政策審議官表彰


<功績概要> ドライバーの健康状態や服薬状況を管理するシステムを取り入れ、自社の安全体制を構築することにより、健康に起因する事故件数の低減を図るなど、輸送の安全性向上に貢献した



表彰状授与の様子(加藤審議官、三和運輸機工 中山慎代表取締役社長)


2. 受賞者歓談:harmoを用いた具体的な取り組み


表彰状授与式後、国土交通省 加藤危機管理・運輸安全政策審議官、山﨑運輸安全監理官と、三和運輸機工 中山慎代表取締役社長、中山学常務取締役、およびharmo 代表取締役Co-CEO山東崇紀らが歓談し、導入背景や現場の変化について意見が交わされました。



歓談中の様子

(1) 健康管理の導入背景


加藤審議官:
「会社へ自分の健康情報の共有を希望しない従業員もいるであろう中、御社は全社を挙げた健康管理の取り組みをされています。現場に導入する際、反応はいかがでしたか?」


三和運輸機工 中山慎代表取締役社長:
「最初はなかなか大変で、『健康もケガも自分持ち』といった考え方の、会社に色々と言われるのは恥ずかしいと感じるドライバーもいました。現在は健康確認の土壌が社内に根付いており、新しいドライバーは“こういう取り組みをしている会社”だと理解した上で入社するので、あまり抵抗はありません。しかし、元々いるドライバーの理解を得るのは苦労しました。まずは事務所の管理者の考え方から変えていきました」


加藤審議官:
「健康管理をスタートされてから、どれくらいの年月がかかったのですか?」


三和運輸機工 中山慎代表取締役社長:
「7年ほど前から取り組み始め、ようやく形になってきたのがこの数年です。最初はSAS(睡眠時無呼吸症候群)の対策から取り組み始めました。現在は服薬状況の確認も含めた健康管理を行っており、病院にきちんと通っているかや、SASであればCPAPの利用状況まで突っ込んでデータを見ています。事故リスクの低減だけでなく、『今いるドライバーに長く健康で会社に勤めてほしい』という目的で実施しています」



(2) harmo導入のきっかけと現場での苦労


加藤審議官:
「harmoさんはどのようなきっかけで導入されたのですか」


三和運輸機工 中山学常務取締役:
「2023年の『運輸安全・物流DX EXPO』でharmoさんのブースを見かけたのがきっかけです。『なぜおくすり手帳アプリの会社が出展しているのだろう?』と気になって立ち寄り、そこから何度かお話をさせていただき、実証実験に参加することになりました」


harmo 代表取締役Co-CEO 山東 崇紀:
「私たちは、患者さんの治療体験の向上をミッションに掲げて活動しています。しかし、現実には治療中断が原因で脳梗塞など重症化するケースが少なくありません。仕事や家庭といった生活の基盤をタッチポイントにすることで、治療中断を防げるのではないかと考えました。そのような想いもあり、昨年運輸業界のEXPOに出展し、三和運輸機工様に賛同いただいて実証実験の実施に至りました。当初からご協力いただき、大変感謝しています」


加藤審議官:
「harmoさんの導入で苦労されたことはありましたか」


三和運輸機工 中山学常務取締役:
「正直なところ、最初は苦労しました。アプリのダウンロードや登録を難しく感じるドライバーもいて、現場で一つひとつ丁寧に説明しながら進める必要がありました。それでも、管理者が中心となってサポートを続けたことで、少しずつ使い方に慣れてもらえました」



(3) harmo導入後の変化


三和運輸機工 中山慎代表取締役社長:
「服薬確認に関しては、もともとExcelで受診状況を管理していましたが、harmo導入後は服薬状況がデジタル化され、管理者の負担がかなり軽減されました」


harmo 代表取締役Co-CEO 山東 崇紀:
「実証実験の結果では、harmoアプリを通じた服薬管理により、薬の飲み忘れが全くないと回答したドライバーが約19pt増加しています。また、私たちのサービスでは『運転禁止薬』が分かる仕組みを提供しています。実際にそのような薬が処方されているときは、ドライバーには『他の治療方法に関して担当医に相談してみてください』とお伝えするよう、企業の方にもお願いをしています」


三和運輸機工 中山学常務取締役:
「毎月harmoの担当の方に服薬サマリーを説明いただいていますが、実際に、運転に影響を与える薬剤がデータに存在していたことがあります。その説明を受け、直接ドライバーに『医療機関にかかる際、自分が職業ドライバーであることを伝えていますか?』と確認し、実際に2人のドライバーが次回受診時に職業を伝え、薬を変更しています」


三和運輸機工 中山慎代表取締役社長:
「薬が変わったことにより、実際にリスクを下げることができたと考えています。今は月1回のレポートを提供いただいていますが、今後は運転禁止薬をリアルタイムで確認できる機能をharmoさんが開発中とのことで、私たちも積極的に取り入れていきたいと考えています」


加藤審議官:
「事故の背後には、人の問題だけでなく、会社全体の安全風土や意識といった様々な要素が関わっています。ドライバー自身が服薬情報を共有することには抵抗がある場合も少なくない中で、harmoさんのような第三者機関を活用し、ドライバーに服薬情報を開示してもらう仕組みを導入し、さらにそれを企業文化として定着させたことは、まさに素晴らしい運輸安全マネジメントの取り組みだと思います」



左から、三和運輸機工 中山慎代表取締役社長、中山学常務取締役、harmo代表取締役Co-CEO山東崇紀、ビジネスコンサルティング部部長 佐野洋介



まとめ:健康管理が事故防止と安全運行を支える


三和運輸機工は、harmo おくすり手帳 for Driverを導入し、健康管理を通じて事故防止と安全運行の実現に取り組みました。



  • 服薬管理のデジタル化による健康管理の高度化・効率化

  • 眠気を引き起こす薬の見直しによる運転リスクの軽減

  • ドライバー自身の健康意識向上と企業文化の醸成


この取り組みは輸送業界における先進的なモデルとして注目されており、業界全体への普及が期待されています。


harmoの展望として、今後さらに機能を拡充し、運転禁止薬の確認機能など、企業の安全管理体制をより強力にサポートするサービスを提供してまいります。健康管理を通じて事故リスクを低減し、ドライバー一人ひとりの健康と安全運行を支える仕組みを、より多くの企業に届けることを目指しています。


少しでも興味をお持ちの企業様は、お気軽にお問い合わせください。


harmoおくすり手帳 for Driverサービスサイト:https://www.harmo.biz/well-harmo/