2016.03.03

地域包括ケアシステムにおける“かかりつけ薬局”の
役割と2016年度 診療報酬改定の内容

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メディキャスト株式会社による分析レポート

■ 薬局に係る2016年度診療報酬改定動向

次期診療報酬改定では、前述したビジョンの方針が色濃く反映される形となっています。今回の薬局に係る改定のポイントは、大きく分類すると次の4点です。

  • ① 調剤基本料の大幅な見直し
    • 特例引き下げの見直しと調剤基本料の評価体系の細分化
    • かかりつけ薬剤師がいるかどうかで左右される
    • 後発医薬品の使用割合を高めることが必須に
  • ② かかりつけ薬局・薬剤師の機能を評価
    • 患者個別に同意を得ることで、かかりつけ薬剤師に
    • 地域包括診療料・地域包括診療加算の対象患者のかかりつけ機能を評価
  • ③ 医療機関との積極的な連携を評価
    • 重複投薬・相互作用防止加算の対象を拡大へ
    • 外来服薬支援料でブラウンバックの配布を評価対象に
    • 分割調剤の対象を拡大(服薬管理が困難など。分割回数を記載すること)
    • 服薬情報等提供料で調剤後も服用薬の情報等を把握し、医療機関に連携
  • ④ ICTを用いた地域連携の推進
    • 電子お薬手帳の承認による将来的な地域連携ネットワーク構築の推進

① 調剤基本料の大幅な見直し

調剤基本料は、これまでの1区分から5区分+特別調剤基本料へと細分化されました。要件によって取れる基本点数が変わってくるため、要件の内容を正しく理解し対応していく必要があります。

【調剤基本料の構造】

また、「かかりつけ薬局の基本的な機能に係る業務を1年実施していない保険薬局は所定点数の100分の50に相当する点数により算定する。ただし、処方せんの受付回数が1月に 600 回以下の保険薬局を除く。」として、かかりつけ薬局としての役割を果たしていない保険薬局については、調剤基本料点数が半減する措置が盛り込まれています。
調剤基本料の加算である基準調剤加算は、今回の改定により「調剤基本料1」を届けている保険薬局でしか算定できないこととなりました。施設基準も大幅に見直されており、「医療機関との連携体制の構築」や「かかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料の施設基準届出」等が必要となっています。更に、「特定の保険医療機関に係る処方せんによる調剤割合90%以上かつ後発医薬品調剤割合30%未満の保険薬局」は、基準調剤加算の算定ができないという規制が新たに設けられています。
調剤基本料に加算される後発医薬品調剤体制加算についても見直しがなされています。後発医薬品使用体制加算の点数はそのまま(加算1= 18点、加算2= 22点)ですが、割合の基準が引き上げられています(加算1= 55%→65%、加算2= 65%→75%)。
先に示されたビジョンに従い、かかりつけ薬局としての機能を評価するとともに、薬局の地域移行を推進していくという意図が明確に診療報酬点数にしっかりと反映されたといえるでしょう。

② かかりつけ薬剤師・薬局の機能を評価

今回の改定では、かかりつけ薬局に加えて、かかりつけ薬剤師の評価も新設されています。また、調剤基本料や基準調剤加算の施設基準にもかかりつけ薬局やかかりつけ薬剤師の基準が加えられたことから、保険薬局はかかりつけ薬局、かかりつけ薬剤師を推進することが求められています。
かかりつけ薬剤師は、地域の研修会への出席や講演会の実績等も求められていることから、保険薬局としても一層地域との関係性を深耕させていくための取り組みが必要となってきます。

(新設)かかりつけ薬剤師指導料

患者が選択したかかりつけ薬剤師が、患者に対して服薬指導等の業務を行った場合の評価が新設されました。ポイントは、患者1人に対して、1人の薬剤師のみがかかりつけ薬剤師として算定できることです。薬局においては、継続的な患者確保の一環として、積極的に推進していく必要があります。

(新設)かかりつけ薬剤師包括管理料

医療機関において地域包括診療料(同加算)、認知症地域包括診療料(同加算)を算定している患者に対してかかりつけ薬剤師が指導を行った場合に、包括評価した点数も算定できます。保険薬局としては、かかりつけ薬剤師指導料を出来高で算定するか、かかりつけ薬剤師包括管理料を算定するかのどちらかを選択できる見込みです。

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